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自閉症の鉄ちゃん、全員集GO!他の障害や、ちょっと気持ちが落ちてしまった人も、鉄道が好きなら大丈夫!出発進GO!


by taiyo-hospitality

共生社会、本人を知ってもらえばいいのだ

「この人は、こういう人なんだ」を分かってもらうことが共生社会の基礎。

移動支援では、ガイドヘルパーが本人に下記のような付き合いができます。

Aさんは、日産CREWのタクシーが好き。日曜日にタクシー乗り場で30分待って日産CREWに乗れた。運転手さんにその嬉しさを話していた。運転手さんが「また乗りたくなったら電話してね」と名刺をくれた。

B君は、バスが好き。ナンバーにこだわる。休日の楽しみは、そのナンバーのバスに乗ること。彼の調査に基づき移動支援をするが空振りも多々あり。そこで、バス会社の営業所(車庫)にアポを入れて連れて行き、挨拶・自己紹介とともに、今後バス車両の運用の問い合わせをすることの許可をお願いした。快くOKしてくれただけでなく、運転手さんの点呼の場面や、車庫の見学までしてくれた。

C君は学校から出て最初の横断歩道を渡り、みんなと反対側の歩道を歩く。下校時の旗振りおじさんは初めのころ「この子は声を出すし、付添人がいるし、道を渡った側の家でもないのに、なぜこの横断歩道を渡るんだろう」と思っていたはず。旗振り(車を止める)が後手に回っていたが、最近は彼の顔を見ると、あらかじめ交通を止めておいてくれる。

Aさん、B君、C君、自閉症スペクトラムの人の価値観(文化)は、健常者視点の価値観に合わないことは多々あります。でも支援者は理解者のはずです。理解者が本人と社会の懸け橋になることで共生社会は築けます。また、自閉症スペクトラムの人は、システムや環境を理解してからでないと踏み出せないことが多いので、「これ善かれ」的支援は多くは不発。特に「みんなと一緒系」や「世間の流行系」、「お楽しみ系」。不安や不満が残るだけ、つまり二度とやりたくない、になってしまうこともありますので、興味を広げさせたい気持ちは、彼らの自発的な行動が出るまで待ちましょう。気に入った場合でも、その環境が常に保障されていなければ本人の希望がかないません。一回限りの特別イベントは要注意。
<自閉症スペクトラムの人が公共交通系、特に鉄道に興味を示すのは、システムと環境の確実性が起因すると思います。線路の上は鉄道車両しか走りません。駅の順序も変わりません。これが何十年、東海道線は120年以上続いています。その確固たるシステムの中での変化、急行列車の停車駅パターンや何年に一度の新型車両・新駅誕生はストレスなく受け入れることができるのです>

Aさん、B君、C君、数年の付き合いの中で、新たな興味の表れはほとんどありませんが、無くなったこだわりはありますし、付帯的にやれることが増えています。

Aさんは、旧型タイプ車が好きなんです。”そのこと”(嬉しさ)は、他人に伝えることができるのです。
B君は、ナンバー指定でその車両に乗りたいのです。”そのこと”で、FAXでの問い合わせのための文章をパソコンで打つのです。
C君は、その道順が好きなんです。”そのこと”で、徒歩下校が出来るんです。
by taiyo-hospitality | 2014-06-24 13:10 | ノーマライゼイション