当地藤枝は、鉄ちゃんの移動支援に最適なロケーション!
①大井川鉄道へは15分で行けちゃう!
今日は金曜日。通所を休んでトーマス乗車ですが、Tさんのお出掛けはいつも通所のカバンとともに。



②JR東海 浜松工場「なるほど発見デー」もひょいっと行けちゃう!
H君は月1回、「電車+何か」のお出掛けで移動支援を利用します。前回の何かは温泉でした。今回は・・・浜松餃子。



♪いいことばかりじゃないけど、わるいことばかりでもない♪
富士登山の始まりはS君が昨年5月に発した「富士山に登れますか?」の一言です。昨年はバスで富士宮口五合目にみんなと一緒に行き、S君は五合目のレストハウスで待機でした。
今年は何とかS君と一緒に登りたいと思い、各登山口を下見をした結果、サムの協力があれば御殿場口・大石茶屋まで行けるのではと判断。台風のため一週遅れの実施となりましたが、すばらしい富士山が出迎えてくれました。
富士山も下界も本当にすばらしい眺めでした。
♪僕、マント・フジが好きだー、中途半端な気持ちじゃなくてー♪
富士宮駅でLove Jetsと太陽ホスピタリティー”合流”して、同じバスで富士宮口五合目へ向かいました。
富士宮口五合目は、すでに標高が2,400mあるため、まずは高度順応を兼ねてにランチタイム。
今回も曇りのち霧のち晴れの天候の中、五合目~六合目~宝永火山口淵の往復です。







1回目は7月下旬に参加者3名(自閉1名・知的2名)+ヘルパー3名+サム(オーストラリア人)夫婦で行いました。サムとは普段の移動支援で利用する公共のジムでしばしば合うため、雑談の中で協力してもらえることになりました。
富士宮口富士山五合目までは路線バスで行き、五合目⇔六合目⇔宝永火山口淵の往復のミニ登山です。案外へっちゃらに登ってるな、と思いましたが宝永火山口淵に着くと、参加者は座り込んでしまいました。下山のと時は滑ってしりもちも。それぞれ写真をご覧ください。
興味深かったのは、サムと参加者は初対面ですが、サムが英語で声掛けをすると参加者も英語で答えていたことです。特に自閉さんはサムに近づいて行き独り言を言っていました。もちろん一方的の独り言ですが、彼の独り言には外国の地名・国名も多いので、サムがその地名・国名を聞き取って英語で質問をすると、自閉さんは質問に答える、というやり取りがありました。逆に、分からない日本語、英語はお互いスルー。
佐々木正美先生は「自閉症は文化」とおっしゃていました。文化交流の代名詞は外国人との異文化交流ですが、私は異文化交流の原点は相手の文化をInterestingと思うことだと思います。Interestingと思う気持ちは、認めるというような目線でもなく、否定することもありません。はっきり言って自閉症の人の感性や能力は理解できないことが多いです。理解できたらノーベル賞ものです。しかし理解できないこと自体がInterestingだと思える心持ちがこそ、自閉症(異文化)の人との付き合いには必要だと考えます。認める認めないの関係ではないから。これは異文化”合流”です。
目的地は、以前弟が一人暮らしをしていた時、母と訪れると連れて行ってくれたと言うアパート近くの中国人の経営する中華料理店。
「お兄ちゃん、大盛りね」と、片言の日本語とともに、注文しなくても大盛りで出てくる。
何年も通い続けた、出会いのおかげ。


彼は、全国チェーンのこのパン屋も大好き。カップ入りフレンチトーストを2パックを帰りの東名バスで食べるのだ。
3年前、ギネス登録の世界最大の駅ビルに入店するこのお店に自ら電話をして、たどたどしい&つっけんどうな口調で予約注文をした。どうせアルバイトが対応しているだろうし、たった2個のフレンチトーストだし、お店の多忙も想像でき、横で聞いていてもハラハラドキドキ。
受け取り時間16:00にお店に行くと大混雑。レジ係りに注文品の受け取りと伝えると、店長さんが厨房から出てきて対応してくれた。H君は、自分がフレンチトーストが好きなことやバスが好きなこと、そして店長さんの趣味や今日何時に起床したか、昨日何時に寝たか・・・、いろいろ質問していた。
それが2年(2回)続いた。
3年目(3回目)の昨年の12月、16:00にフレンチトーストを受け取りに行くと、その店長さんがすでに店頭で待っていてくれた。
チェーン店、大規模駅ビルの混雑店、フレンチトースト2個、年に一回のお客なのに「いつもありがとうございます。来年も来てくださいね。」と言って、出会いを大切にしてくれた店長さんに感謝。「僕は数字にこだわるので、来年いつ来れるかわかりません」とマジに答えてしまうH君。

彼らの感性から出る能力は定型発達一般人をはるかにに超えている。自閉さんはコミュニケーションと社会性の障害。ゆえに、彼らの発言・言葉はぞんざいにされる傾向にあるが・・・
♪自閉さんの声は風に消されても、ラララララララ 間違っちゃいない♪
「出会い」は「お出掛け」から。出て行かなきゃ始まらない。出ていった結果、160Km離れた土地に、自分を分かってくれる行きつけの店を作ってしまった。
♪ドアを開けても何も始まらない。そこから遠くを眺めてるだけじゃ♪

♪運転手さんそのバスに 僕も乗っけてくれないか 行先なら 名古屋でいい♪
4年間、移動支援でお付き合いしている自閉症のK君が、移動支援中に初めて信号を間違えた!交差道路の信号が青になった時、踏み出してしまった。いつもは横断歩道ギリギリ1cmで止まるのに!

6年間、移動支援でお付き合いしている自閉圏のK君が、移動支援中に初めてプラットホームを間違えた!帰りの電車、下りホームではなく、上りホームの階段を上って行ってしまった。小学生の時は鉄ちゃんだったのに!

10年間、お付き合いのある知的障害のあるT君が、支援中に初めて信号を間違えた!彼も交差道路の信号が青になった時、踏み出してしまった。信号を渡る時はいつもバスの運転手のように「右よし、左よし、発車します」と言って指さし確認をするのに!今回もやったのに!!



支援学校卒業後は、通所施設や障害者団体・会の仲間だけになってしまいがち。グループホームに入れは「18:00までに帰って来てくださ」と言われてしまう。
親亡き後を考えると、親たちは「はっはー、福祉制度様。何でもいいです。文句は言いません。」と福祉制度を崇拝してしまう。だから福祉行政は行政側の考えだけで進めることが出来る。そもそも行政職員は行政業務のプロであって、福祉行政の場合でも、福祉のプロではない。数年前は別の部署、数年後は別の部署。その人達が物事を進めて行ってしまう。だからこそ、彼らに一生直接携わる人間は、彼らの側に立って、彼らの当たり前の人生や幸せな人生を一緒に考えてあげる「当事者」でなければならない。つまり、「もし自分がそうされたら」で判断するのです。
自宅住まいの2人は「赤富士、満月、イルミネーション」を体験できた。「18:00までに帰って来てください」は、彼らの人生にいったい何の意味があるのだろう?
毎年夏に静岡駅~富士宮口五合目行の高速バスが運転される。まずは、ヘルパーが彼をそのバスに乗せることが出来るかどうか?
6月、地元の路線バスの高速バスの車両で運行されている路線で乗せ込みを試みる。彼を抱えるヘルパーと足を抱えるヘルパーの2名体制で、一番前の座席に着席OK。
彼1人にヘルパーが2人が付くと経費負担は大きくなるだけでなく、移動支援の制度ではヘルパーは1人派遣が前提のためヘルパー1名の派遣に対する給付しか事業所に入ってこない。
そこで、複数の参加者を複数のヘルパーが付き添う方式を取るために、いつも移動支援を利用している人達に声を掛けた。五合目~六合目の登山体験付き!
希望者が多く、2回に分けて行くことになった。
1回目は自閉さんグループ。




2週間後の2回目は車椅子の彼と自閉さん以外の人達。




今回一番印象に残った事は、車椅子の彼が6月に高速バスに乗った時「景色がいいですね」と言ったこと。もちろん富士登山当日のバスでも富士スカイラインからの景色に感想が沢山出ていたこと。
支援学校時代も施設通所の現在も、路線バス、まして高速バス、しかもバスの一番前の席に乗ったことがない。
送迎は親の車か施設の送迎車のリフト付きワンボックスの最後部の車椅子スペース。施設等の旅行は、行政等が所有するリフト付き大型バスのリフト横の車椅子スペース。健常者がそのように決めてしまう。そのようにしてしまう。
今年は六合目まででした。来年はどうしようかな?
”Nothing About Us Without Us”
”Expressd Wish"
ランチで入ったラーメン屋で、ラーメンが出てくるまでの間、話の内容は仮面ライダーの話。足りないものやわからない事は、大きな声で店員に頼む。年相応ではない会話と行動?店員もお客もそう感じているだろう。
ラーメンが出てくると、「わー、おいしそう。いただきまーす」。
食べ終わるとH.S君が、「ごちそうさま。おいしかったです。また来ていいですか?」。
数秒遅れて吃音のH.A君が、「ぼっぼっぼくもおいしかったです。きっきっ来ていいですか?」。
店員のおばさんの顔がほころび、「また来てね」。
そしておばさんが、「こんなこと言ってくれるお客さんはいないから嬉しいよ。普段お客さんとの会話は注文と会計だけだから」。
年相応って何?マナーって何?
一般社会に受け入れてもらうための訓練でも練習でも指導でもなく、支援でもなく。ガイドヘルパーが彼らの外出を促進してまちにくり出し、彼らの行動(スピード・発言)や認知(五感)の味方になってあげれば、彼らがまちを良くしてくれるのだ!これでいいのだ!
