5月に特別支援学校高等部の修学旅行の添乗員を担当。新幹線の個室は乗車後に生徒さんの状態を診ながら車掌さんに頼んでベッド仕様にしてもらい、途中で少し寒さを感じたので毛布2枚用意してもらいました。昼前に広島で下車の際、「夕方に皆さんが乗る列車も私が乗務します。」と車掌さんが。
夕方に乗った新幹線はあの車掌さんが出迎えてくれ、個室はあらかじめベッド状態になっていて、(写真には写っていませんが)手すりには毛布が2枚掛けてありました。
のぞみ101号~のぞみ38号の出来事でした。
そして関西へ。関西の大ターミナル駅の夕方6時。めっちゃ混みのエスカレーターに乗って生徒を左側に立たせてしまった。関西のおばちゃんのプレッシャービームで気が付いた時はすでに時遅し。しかし、ここからが関西のおばちゃん。障害を持つ生徒の一行と察知したらしく、右側に立って生徒の手をつないで「あわてんでええで~」。臨機応変が出来ない添乗員を救ってくれた、大阪のおばちゃん。でも、乗った電車の車掌は「ごじょうしゃありがとうございます」だって。誤乗車はもっとも気になる言葉なのに・・・ ♪いいやつばかりじゃないけど、わるいやつばかりでもない♪ Train Train のお話。

いました、いました。違いが分かる生徒さんが。
バスの車内では、車の名前、その意味、メーカーと国を言い当てます。
かと思えば突然、「未確認生物が・・・」と発言。
そして港にあるタワーが見えた瞬間、「ぺダン星人は・・・<以下、ウルトラマンの話が続きます>」
情報のマッチングもあれば、空想もあれば、一般人と違う結び付けもあれば・・・。それを明石家さんま以上の機関銃発言で。
安心したのは、彼担当の先生が彼の話に「付き合う」スタンスだったこと。卒業後、「直す」「やめさせる」スタンスの福祉関係者と名乗る人に出合いませんように。
未確認生物は彼の空想?いや、山内も確かに見ました。

東京スカイツリー、東京ディズニーランド、エプソン品川アクアスタジアム。
往復新幹線。現地は、福祉タクシーの他、電車にも乗車。お台場のホテルに2連泊。
ここでチクリ。
新幹線には個室があります。大変助かりますが、個室利用時、空いた車椅子はどこに・・・?
水族館やスタジアムに車椅子席はありますが、縦並びスペースのため本人の後ろに介助者用の折りたたみ椅子が用意されています。しかし後ろでは介護者は本人の顔が確認できませんので、体調変化や訴えが解かりません。それより何より一緒に楽しむことが出来きません。結局、ずっと横に立つことになります。
「ものづくり日本」だけに、日本の福祉がバリアフリーという「ものづくり」止まりになっている感があります。「楽しんでもらう」といった、「幸せ創り」の発想がありません。
だから創るのです、訴えるのです。彼らの「幸せ」を。



正直、支援学校の生徒さんで今回初対面と言う場合は、適切な対応はなかなか難しいです。添乗員も修学旅行事前学習の時間に数回参加させて頂ければ理想ですが・・・。生徒さんと初対面の添乗員としての心掛けは「添乗員が不安材料にならない」こと。先生方の日々の対応や考え<静かに、マナーを守って・・・>と反してしまう部分もあるかもしれないが、嬉しくて、そして嬉しさを伝えたくて声が出ちゃう、ジャンプしちゃう、走っちゃう、添乗員さんをひっぱちゃうなどは、私としてはOKではないかと思います。
逆に、親から離れて、いつもと違う環境で不安になっちゃた生徒さんへの対応は、毎日接している先生方に任せるしかありません。初対面の人物の存在こそが不安材料なんだから。
慣れる⇔安心する→興味を持つ→好きになる→やれるようになる、この進段ペースは人それぞれ。まずは「慣れる」にじっくり時間を掛けること。焦ると、「嫌い・嫌」の対象になってしまいます。修学旅行から帰ってきて旅行が「嫌い・嫌」になったら、添乗員のせいだ!


飛行機搭乗前のパニック等の心配は付きものですが、今回「自閉さんへの理解不足」を痛感しました。座先でデイバックを抱くことで安心・安定が得られている生徒さんに、CAから「規則ですので、バッグを前の席の下に置いてください」と何度も指示が飛ぶ状況に少し疑問を感じました。わがまま、ずるさ、虚栄心でルールを守らない代議士への対応に苦慮しているからと言って、自閉さんに向かってそれはないでしょ。自閉さんは、欲もずるさもないんだから。しかも生徒さんの両脇に航空会社の指示通りに介助者(先生と添乗員)が座っているのだから。やっぱり世間は(接客業でさえ)自閉症のことを分かっていないんあだなーと実感し、自閉症理解の啓発活動の大切さを感じました。「支援より理解を!理解が最大の支援」です。支援者が見守らなければならないのは、自閉さんのこだわり行動じゃなくて一般の人の無理解です。
1日目の昼食は、全体で神戸トアロード沿いの洋館の「本格中華レストラン」。3日目の昼食は、養護学級は単独で、高台寺近くの元旅館を改装した「京風創作料理」。どちらのレストランでも、建物、従業員がしっかりしており、何を言われることなく普通級の生徒も養護学級の生徒も、「しゃんと」していました。佐々木正美先生もよく言われる「問題行動は起こさせた側が反省すべし」に通じます。適切な対応(レストラン従業員)と、事前情報と実際のマッチ(ここでは先生からの情報とレストランの質がマッチ)=裏切らない=ことで生徒が、支援者(先生・従業員)を信用して、しゃんとするのです。よく、パンフレットと実際が違う!なんてありますよね。その時、誰でも腹を立てるのではないでしょうか?
自閉症カンファレンスNIPPON2008の分科会で私が述べた、「鉄道のシステムは裏切らないので、自閉さんは鉄道に信頼を置き、鉄ちゃんになる」と通じます。